約 3,043,797 件
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/846.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン>とツインテール 「はあぁぁぁぁ…」 常盤台中学のエースは、それはもうお嬢様らしくない盛大なため息をついた。 「美琴、お前大丈夫か?随分と疲れてそうなんだが…」 とある日の放課後、とある二人の幼馴染は、とある公園の自販機の前にいた。 「まぁね、いろいろと…いろいろとね(主に黒子のことで)私が常盤台で何て呼ばれているか知ってるでしょ?」 「あー…前に言ってたな、たしか…」 「おっねっえっさっまーーーーーっ!」 「ふぇ、くっ黒子!?いっいきなり抱きつくなー!」 何の前触れもなく空間に現れたツインテールの少女は、誰よりもお姉さまを愛してやまない、白井黒子であった。 ちゃっかり美琴に抱き付き、けん制するかのようこちらを一瞥、その視線は殺気めいたものを感じたが気のせいだと思うことにしておく。 「あら?あらあらあら?そちらの殿方は……上条様ではありませんか、ご無沙汰しておりますの」 にこっと優雅に挨拶をするところは流石はお嬢様学校というところか。 「…幼馴染というステータスだけで、いつまでもお姉さまの隣にいられると思っていたら大間違いですわよ」 不穏な空気が流れる、よく見ると手には金属針。 「おい、思考がだだ漏れなんだが…」 命の危険を感じ、じりじりとすり足で間合いをとる。対する白井はテレポートで一気に詰め寄ると。ビシっと指差し 「上条当麻…勝負ですの!」 お姉さまはそこで立ち合っていただければ結構ですわと白井は付け加えた。 「はぁ?!ちょっ黒子何言ってんのよ!」 「お姉さま!わたくしが勝ったら、わたくしの…黒子の愛を受け取ってくださいまし!」 「なにっ、一人でっ、ヒートアップしているのよ!」 どうしよう…この後輩(変態)と美琴は幼馴染に助けを求めると、いつになく真剣な表情に思わずドキっとしてしまう。 「えっ…ちょ、当麻も何真剣な顔してんのよ!」 (なっ、ななななんでそんな顔すんのよ!えっでもこれって…これって、当麻はもしかして私のことっ…!)ぽんっと音を立て思考停止。 「わたくしの愛とどちらが上か…今こそ決着の時ですのよ!」 「ねぇ…や、やめてよ二人とも。あのさ、あた…私はとっ当麻のことが…すっ、す」 「好きな「………わかった相手になってやるよ」」 美琴の精一杯の告白は上条当麻の一言にかき消された。 「…………バチ」 『私を置いて勝手に話を進めるなーーーーーーーーー!!』 「ぎゃあぁあ不幸だーーー」 「ああっイイ、お姉さまの愛~!」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/851.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン>と雨の日 「どうしよう、傘忘れちゃった…」 とある日、とある幼馴染の所へいつものように朝食を作りに行った美琴は、うっかり傘を忘れた。 天気予報は午前七時から雨模様、現在の時刻は午前七時十分、無論天気は外れることなく雨が降っている。 「当麻…傘、二本持ってない?」 「…ないぞ」 「えーと…借りても?」 上目遣いでお願いされて、思わずいいよと喉元まで出かかるが、ぐっと押しとどまる。 「今日の雨は昼過ぎにならないと上がらない。美琴が傘持って行ったら、俺はずぶ濡れで学校に行かなきゃならなくなる、わかるか?」 「わっわかるけど…じゃーなに、この雨の中走って帰れと言ってるの?」 「いや、それはだな…」 むぅーと二人でにらみ合う。しかしこのままでは平行線、しかも美琴はそろそろ寮に戻らないとまずい時間も迫っている。 さてどうしたものかと、考えを巡らし――――あっ!とその手があったかと一つの解決法を思いついたのだった。 「ああ!そうか…俺がお前を送りゃいいじゃん」 「へっ?」 「んじゃ、外で待ってろ、今着替えるから」 さぁ出ろ出ろーと美琴は背中を押され、外に放り出された。 「えっ?えっ?」 (ちょっ、ちょっとまって、この家には傘が一本しかないじゃない、そっそれで当麻が今から送るって…つ、つまりそれって相合い傘!?) 出かける準備が整い、美琴の元へと向かう。 「ん?どうしたんだ美琴?」 先ほどから黙りこくって下を向いてる美琴の様子が変だ。心なしか顔が赤い気がする。 「顔真っ赤だけど、風邪でも引いたか?」 「なっ…なんでもないわよ!」 元気そうなので、まぁ大丈夫かと考える。 「ほっほら、行くわよ!」 「お、おう」 「「………」」 さっきから周りの視線が気になる、この時間はまだ人が少ないとはいえ、通りがかる全ての人に一度は見られている気がする。 美琴はずっと黙ってるし、何がいけないんだ?傘が一つしかないのだから、この方法が一番…ん、一つの傘に男女が二人つまりそれは 相合い傘で、周りからしたらそれはカップルに見えてるのではなかろうか?……ギギギと首を横に向けると隣の幼馴染が視界に入る。 自覚したとたん、頬がかぁあと熱くなり、心臓はバコンと一気にトップピードへ。急に立ち止まった幼馴染に「どうしたの?」と 不思議そうな顔で見上げてくる。二人の視線は交錯し、自然に見つめ合う形へ。 (*1) 二人とも考える事は同じだった。 雨はしとしとと降る。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/857.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン>とビリビリver.2 「見つけたわよ!」 「げっ、ビリビリ中学生…」 ツンツン頭が特徴のとある少年は、ふっ…不幸だ~と心底うんざりした顔をしている様にみえる。 「だ、れ、がビリビリだ!私にはっ、御坂美琴っていう名前があるんだから!」 いい加減、名前で呼びなさいよゴラァァと叫ぶ少女、対する少年はえーでもお前は、ビリビリだしな…と、うーんと唸って 「やっぱビリビリだわ…」とボソっと呟いた。 「………バチッ」 『何でだぁぁぁーーーーーーーー!』 バチ!ビリビリビリビリィィィイと電撃の槍が走り、少年を襲う。 あっぶねーじゃねぇかといった具合に、ほぼ条件反射で右手をかざし電撃は打ち消された。 「…ほらな、やっぱりビリビリだ」 「まだ言うかー!」 「ちょっビリビリ、それ当たったら死ぬから!」 くるりと、少年は来た方向とは逆に反転し猛然と駆け出す。 「ちょっ、こら、待ちなさいよっ!」 演算途中の電撃は、少年が走り出した事により中断され、不発に終わり。逃げるなぁーと少女は追いかける。 とある少年少女の追いかけっこが始まる。 ―――っていう夢を見たんだけどな 「その夢、私も見たわよ」 「……美琴も見たのか?」 「うん、当麻の話を聞いてたら思い出した」 「なぁ…夢の中の俺はどんな奴だったんだ?」 「んー…人の事をビリビリって呼んでくるし、やたら逃げ足早いし」 追いかけるのに苦労したわよとちょっと怒ってみる。 でも夢の中の当麻よりも 「こっちの当麻が好きかな………って、あ、えっとその…」 「……えっ?」 「「………」」 「ななななっなんでもない!なんでも無いから!そう、い、今のはそういう意味じゃなくて…」 「ど、どういう意味でせう?って美琴…何故走る?!」 とある幼馴染の追いかけっこが始まった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/856.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン>とビリビリver.1 「見つけたわよ!」 「げっ、ビリビリ中学生…」 ツンツン頭が特徴のとある少年は、ふっ…不幸だ~と心底うんざりした顔をしている様にみえる。 「だ、れ、がビリビリだ!私にはっ、御坂美琴っていう名前があるんだから!」 いい加減、名前で呼びなさいよゴラァァと叫ぶ少女、対する少年はえーでもお前は、ビリビリだしな…と、うーんと唸って 「やっぱビリビリだわ…」とボソっと呟いた。 「………バチッ」 『何でだぁぁぁーーーーーーーー!』 バチ!ビリビリビリビリィィィイと電撃の槍が走り、少年を襲う。 あっぶねーじゃねぇかといった具合に、ほぼ条件反射で右手をかざし電撃は打ち消された。 「…ほらな、やっぱりビリビリだ」 「まだ言うかー!」 「ちょっビリビリ、それ当たったら死ぬから!」 くるりと、少年は来た方向とは逆に反転し猛然と駆け出す。 「ちょっ、こら、待ちなさいよっ!」 演算途中の電撃は、少年が走り出した事により中断され、不発に終わり。逃げるなぁーと少女は追いかける。 とある少年少女の追いかけっこが始まる。 ―――っていう夢を見たんだけどさ 「…その夢、俺も見たぞ」 「えっ!当麻も見たの?」 「ああ、美琴の話を聞いてたら思い出した」 「あ、あのさ…夢の中の私はどんなだったの?」 「なんつーか、俺はビリビリ中学生って呼んでいて、その名の通り常にビリビリ…」 しかも追い掛けまわされて、そりゃもう大変でしたよと答えた。 「………バチッ」 あれ?何か今、不穏な音が聞こえた気がする。 「ねぇ?当麻~追いかけっこって…楽しそうだと思わない?」 「そ、そうでせうか?」 「試してみようか」 バチバチ! とある幼馴染の追いかけっこが始まった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/830.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 御坂美琴の朝は早い。 時刻は午前五時三十分、まだ誰一人起きてはいないであろう女子寮で1人、身支度を整えていた。 半袖の白いブラウスにサマーセーター、灰色のプリッツスカート、名門常盤台中学の制服である。 肩まである茶色い髪に、愛用しているヘアピンを装着、鉄壁ガードの短パンを履き、よしっ、準備完了! 足音を立てないようにドアへと移動し、隣で眠るルームメイト(変態)を起こさぬようにそっと部屋を後にした。 こんな朝早くからどこへ何をしに行くのかというと、とある学生寮に住むとある幼馴染を起こしに行くためだ。 ―――――――――――――――とある幼馴染の超電磁砲 レールガン ―――――――――――――――― 慣れた手つきで鍵を開け、未だ眠りの中にいる幼馴染の元へと向かう。 薄暗い部屋で寝息だけが聞こえる、よく眠っているようだ。無論、すぐには起こさない、時間はたっぷりとある。 というのは美琴が早起きするのは、この寝顔を見るのが特権であり、日課であり、密かな楽しみだからである。 そうして、今日もじっくりと幼馴染の寝顔を見る。心なしか無防備なその寝顔はニヤついてるようにも見える。 (ニヤニヤしちゃって、どういう夢見てるのかしら?ほんっっっと鈍感で、フラグ体質で、ちょっとは私の気持ちに気 付いてくれてもいいと思うんだけど、バカ当麻!つついちゃえ、えいえい!) 思わず頬をつつくと、うーんと少し顔をしかめ、つんつん攻撃を回避しようと、顔をそむけようとする仕草がたまらない。 (…………ちょっと可愛いかも♪) 美琴はひとしきり寝顔を堪能すると、少々名残惜しいがエプロンを着け台所へと向かう。まさか寝顔を見る為だけに来た のではない。半分はそうなのだが、もう半分は朝食とお弁当を作るためだ。冷蔵庫の中身を確認し、献立をささっと組み立 て調理に取り掛かった。 トントントントンと子気味良い音がする。 しばらくすると美味しそうな匂いが漂い、とある幼馴染こと上条当麻の意識は急速に覚醒へと向かう。 目を開けると、ちょうど朝食を運ぶ美琴と目が合った。 「あっ、起きた?おはよっ!」 「お、おう…おはよう」 目が合った事に気恥ずかしさを覚えたが、対する美琴の方は、特に気にすることもなく朝食の準備をしているので、何故だか 負けてしまったような気がしてならない当麻だったが、そんな気持ちを誤魔化そうと、リモコンを手に取りテレビの電源を入れる。 流れるニュースをBGMに気持ちを切り替え、顔を洗いに洗面台に向かう。ちらっと美琴の方を見ると、朝食の準備は終わったよう でお弁当の盛り付けに入っている。毎朝の当たり前の光景なのだが、いい加減ひとり立ちしなければとも思う。 美琴のいる女子寮はそれはもう規則が厳しいとのことであり、朝早くから抜け出してここに来ることがそもそもダメではないのだ ろうかと言ってみたことがあるのだが、本人曰く刀夜さんと詩菜さんに面倒を任せられてる手前、アンタに何かあったら困るというこ とで暖簾に腕押し、柳に風といった具合で全く聞き入れてもらえず慣性の法則のごとくずるずると続き今日に至る。 「はぁ…なんだかなぁ」 「どうしたの?」 「いや、なんでもありません」 「そ、ほらちゃっちゃと食べて、ご飯冷めちゃうでしょ」 へいへーいと生返事をし、朝食に手を付ける。勿論、いただきますと食べる前に言うのは忘れない。 ちなみに今日の献立は、キャベツと卵を炒めたものと大根の味噌汁、晩御飯の残り物の肉じゃがである。 「ご飯おかわりいる?」 「おう、頼む」 はい、と美琴からご飯をよそった茶碗が渡され、受け取るときにたまたま指先が触れ合う。 妙に意識してしまい、心拍数は一気に跳ね上がる。それを打ち消すかのように慌てて大根の味噌汁を飲み干し、気持ちを落ち着ける。 ほんのささいな接触なのだが、上条当麻にとって美琴という存在は幼馴染以上恋人未満であり、異性であり、気になる相手であり、と にかく健全な男子高校生としては、その一挙一動に悶々としてしようがないのである。 (ぐぁぁぁあ、落ち着け落ち着くんだ落ち着くんですよ俺の心臓ーーーーー) そんな思春期特有の複雑な心境をしってかしらずか、美琴はテレビに目を向けていて、最近騒がれている爆弾魔事件をみて物騒な 世の中ね~とつぶやいているのだから、なんだか自分だけ振り回されているような気がしてならない。いや、確実に振り回されてるのだ が、そう思いたくない葛藤というのか、プライドというのかそういうものが含まれてたりするのだ。 「ごちそうさまでした」 「はい、お粗末さまでした」 食べ終わった食器を流し台へと運ぶ、作るのは美琴の役目で、洗い物は当麻がするという暗黙のルールがある。 しばらくゆったりとした時間が訪れ、時折カチャカチャと洗い物の音が聞こえてくる。特に面白いニュースもないので美琴はテレビの電源を 切り、ちらっと時計を見る、そろそろ寮に戻らないとまずい時間なのだがもう少しだけここにいたい。当麻と共有する時間が長くなればと思う。 いつまでも幼馴染以上恋人未満で満足できるわけではない。むしろ想いは募る一方で、素直になれない自分に自己嫌悪することもしば しば、けれど今の状態から一歩踏み出す勇気がないのも確かだ。付き合いが長いだけに、越えられない壁というものが出来てしまったとい うか存在するわけで、その壁をぶち壊してくれるような幼馴染では無いから苦労するのである。 (ここで帰りたくないって言えば…って帰れって言われるのがオチよね、はぁ~リアクション一つ起こした ところで、結果が目に見えてると言うのか、バカ当麻には伝わらないのよね、鈍感にも限度ってもんがあると思うわ) さらに言えばフラグ体質で、超がつく鈍感、本人は無自覚すぎるし、その度に相手をけん制し、手を伸ばす方の身にもなってほしいものだ。 無論、そんな乙女な心境をこれっぽちも知るはずもない当の本人は、お前そろそろ戻らないとまずいんじゃねーの?とそっけなく言うのだか ら、ついつい電撃をお見舞いしてしまって、素直になれない気持ちは先延ばし、思っていることと言う事はまるっきり逆になる。 「ちょっ、何を怒ってらっしゃるので美琴さん?おわっ電化製品が死ぬから!ビリビリすとっぷぅう!」 「わかってるわよ、いつ戻ろうが私の勝手でしょ!それで何?早く帰れだなんて、気が利かないにもほどがあるわよー!」 「はぁ?早く帰らないとお前、朝食の時間決まってるんじゃ?それに寮監に見つかるとまずいだろ。 えっ、違う?俺なにか地雷を踏んだ?踏みましたか?踏んだのですね?の三段活用って、ぎゃぁあああ!」 こうして今日も、幼馴染二人の日常は平和に?始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「はい、これ当麻の分のお弁当ね」 にこやかな表情でお弁当を渡すこの少女が、数分前に電撃を放っていたのとは同一人物と思えないほどの変わりようである。 非常に理不尽な話だが、電撃をお見舞いしたことですっきりしたらしい。先ほどの剣幕はどこへいったのやら、穏やかだ。 当たられた方は不幸だと思わず口に出そうになるが、口に出すとまた厄介な事になりそうなので口を噤む。口は災いの元なのだ。 寮に慌てて帰って行く美琴を玄関先で見送ると、やれやれといった感じで学生服を手に取る。美琴が帰ってから、服を着替えるのも暗黙の ルールの内の一つである。それもそのはず、上条当麻は一度失敗しているのだ。 かつて一度だけ、美琴がいる前で着替えを始めてしまったことがある。別に全裸になるわけではないし、学ラン、Tシャツ、ズボンと着るだけの 作業。それがダメだったらしい、顔を真っ赤にして、アンタ、なっ何してるのよ!アタシがいるのにちょっとは恥じらいなさいよ!とぎゃぁぁっと騒が れ、その時はまだ意識していたわけでも無く、幼少の頃に風呂にも一緒に入ったことがあるくらいのある意味、裸の付き合い?的なものがあった わけで、当麻からしてみれば肉親や妹に近いそれだったのだが、ああこいつもお年頃なんだなぁ…と再発見。 今思えば御坂美琴という幼馴染を、1人の女の子として見るようになった決定的な出来事だったかもしれない。 しばらく物思いに耽っていると、ピピッとメールの着信音、相手は勿論、美琴だ。内容は、セブンスミストで服を買うから付き合えとのこと。 断ると後が大変なので補習がなければ付き合うと返信し、そろそろ学校へ行きますかね~ってな具合で部屋を後にする。 二人の関係に微妙な変化が訪れるのは、空からふってきた少…もといベランダに干されていた少女と遭遇するところなのだが、それはまた別の機会に話すとしよう。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2769.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し 序章 ⑤同棲開始 「よーし、これで全部だな」 上条は大きめなダンボール箱を部屋の中に運び込むと、額に掻いた汗を拭う。 すると美琴が冷たい麦茶を持ってきてくれた。 「ご苦労様」 上条は美琴から麦茶を受け取ると一気に飲み干す。 「しかし、今日からここで暮らすのか。 イマイチ実感が湧かないな」 上条は旅掛と美鈴と対面した その日の内に退寮届けを提出し、 三日後の今日になって引越しの当日を迎えた。 家具は予め備え付けられており、引越しの荷物は基本的な生活用品だけだった。 だから引越し業者などには依頼せずに、自分達で引越しの準備を全て行ったのだった。 「何だかこうやって二人で作業してると、新婚さんみたいね」 「ああ、そうかもな」 すると美琴は上条の隣に並んで上条の腕を抱きしめる。 「どうした?」 「えへへ、今日から当麻とずっと一緒にいられると思うと嬉しくて」 美琴はそう言うと、上条の肩に頬ずりしてくる。 とても最近までアンタとか馬鹿とか言って、 電撃を放ってきた人間とは同一人物に思えない。 (まあ、どっちの美琴も俺の可愛い妹分には違いないんだがな。 でも恋人なのに、いつまでも妹扱いはどうなんだろう?) 上条がそんなことを考えていると、ある重大なことに思い至った。 (そいえば、俺達って告白とかしてないんだよな。 告白みたいなものはしたけど、お互いのことを好きって伝えたこともないし… 何かこのままグダグダな関係が続いていくのも良くない気がする) そこで上条はせっかく同棲を始める初日なので良い機会だと思い、 腕に抱きついている美琴に向かって言った。 「なあ、美琴?」 「何、当麻?」 「俺達って一応 恋人なんだよな?」 「う、うん」// 「美琴の中で俺は恋人なのか それとも兄みたいな存在なのか… 正直に話してみてくれないか?」 「え?」 「美琴がどんな風に思ってたって別に構わないんだ、 美琴が俺にとって大切な存在のことに変わりはないから… ただ俺の気持ちを無理強いして美琴を傷つけることはしたくないんだよ」 「…えっとね、学園都市で再会してから やっぱり異性として当麻のことが気になってたんだと思う。 でも当麻が戦ってる姿を見て昔のことを思い出して、 昔のお兄ちゃんとして慕ってた気持ちも混ざりあったの。 だから異性としても もちろん大好きなんだけど、 どうしてもお兄ちゃんって想いも抜けなくて… ゴメンね、こんな半端な気持ちじゃ困っちゃうよね」 「いや、俺も正直 美琴のことを妹として見ちゃってる部分があるんだ。 だから無理に今の関係を変える必要はないと思う」 「…うん、そうだね」 「ただ一つだけ美琴にしっかり伝えておきたいことがあるんだ。 俺は美琴のことが好きだ、何よりも大切にしたいと思ってる。 まだ頼りない部分がたくさんある俺だけど、 美琴のことを一生守ってあげたいと思ってる。 だから美琴も俺のことを傍でずっと支えてくれないか?」 「ふふ、何だかプロポーズみたい」 「わ、悪い、重かったか?」 「ううん、凄く嬉しい。 私も当麻と同じ道を当麻の隣で歩き続ける。 嬉しい時も辛い時もずっと一緒だから」 そうして上条と美琴は唇を重ねる。 たった数秒の出来事だったが互いの気持ちを確かめ合うには十分だった。 「私は当麻のことを絶対に離さないから、覚悟しといてね!!」 美琴はそう言って上条のことを抱きしめる。 「それは、こっちのセリフだ」 上条もそう言って、美琴のことを抱きしめ返すのだった。 そんな二人が仲良く手を繋ぎ寝室に向かって、 置いてあるダブルベッドを見て悶絶するのは この後すぐのことだった。 こうして幼馴染の少年と少女の恋人としての物語が本格的に幕を開けた。 ここから始まるのは少女の罪を、少年の不幸を嘆く物語ではない。 少年と少女の道が再び交わり一つとなった幸福へと続く道を歩んでいく物語… 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/917.html
前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン>とイヤホン 「だぁぁぁあ!補習が長引いた~」 急ぎ足で待ち合わせ場所に向かう。 そう、今日は絶対に外せない約束があるのだ。 普段の授業に+補習というのは、いつもの事だ。 いつもの事ではあるが、今日は予想以上に長引いた。 勿論、とっくに待ち合わせの時間は過ぎている。 これはまずいと思って、メールを送ったが返事は来ない。 (こりゃ、相当怒ってるよなぁ……) 正直、補習も常にあるような身で放課後に時間を作るというのは厳しい、だから部活動も行ってない。 それでも幼馴染に付き合う理由。 「いや~悪い、遅くなった!」 ベンチに掛けているのを見つけ、慌てて駆け寄り すまんと手を合わせて、内心ビクビクしながら様子を窺う。 「おーい、美琴……もしもーし?」 しばらくしても反応が返ってこない。 不思議に思って、目の前で手を振ってみる。 「あっ当麻…」 今、気付きましたよといった具合で目をぱちくりさせ 「ごめん、聴き入っちゃってて…思いっきりスルーしちゃった」 と言いながら美琴は音楽プレイヤーの停止ボタンを押して、イヤホンを外す。 その軽薄な態度に少しだけムッときて余計な一言をぽろりと出してしまう。 「上条さんは、補習でへとへとなのですよ~。それでも来た事に、ねぎらいの一つも掛けてくれてもいいと思うのですよ~」 遅れた事を棚に上げ、自ら墓穴を掘りにいっている事に気付いた時は後の祭り。 「どの口が言うのよ、遅れたくせに…」 とジト目で突っ込まれ 「しょうがないじゃない、大体あんたがい・つ・も待ち合わせの時間に、来ないから悪いのよ!」 待つのも疲れるんだと美琴は主張する。 「うっ!いや、それは……」 「それは?」 美琴にじーと見られること数秒――いよいよ降参、白旗を上げた。 「悪い、悪かった、だから…!」 と許しを請う。その様子に美琴は、はぁ~とため息をつき 「まっ、でもいつも当麻に付き合ってもらってるし、いいわよ、別にもう…」 と少し照れた口調で、今回だけだからねと付け加えた。 「ところでさ、何を聴いてたんだ?」 機嫌が直った事に、ほっと胸を撫で下ろし――先ほどから気になってた事を口にした。 「ん、ああこれ?」 と美琴は、膝に置いてある音楽プレイヤーを持ち上げる。 「そそ、いや…珍しいなと思ってな」 「ちょっと、それどういう意味よ!」 またもや暗雲が立ち込めそうな流れに、待て待て続きを言わせてと、美琴をけん制し告げる。 「その…美琴が曲聴いているのって、何か新鮮でな。ほら、普段聴かないだろ?だからどうしたのかと思ってな」 思わぬ返答に、美琴は少しだけ思案し理由を話す。 「えっと、佐天さんに勧められて…ちょっと気になったから」 「佐天さんつーと、この間話してた後輩だよな?」 「うん、中学は違うけど、何回か遊んで…これもその一つかな」 そう言って、音楽プレイヤーを指す美琴。 「なるほどな」 どことなく嬉しそうに話す美琴の様子を見て、友達が出来たんだなと素直に喜ぶ。 上条当麻が幼馴染に付き合う理由。 ――それは以前、自分の隣が一番自然でいられると言われたことがあるからだ。 学園都市に7人しかいない、レベル5の第三位、常盤台のエースである幼馴染はその能力の 高さ故、輪の中心に立つことはできても、輪の中には入っていけない。それでもそれが当然の 事だと分かっている。いやむしろそう思うことで、友達というものを諦めてきていた様にも感じる。 クラスでデルタフォースと呼ばれる内の一人で、バカばっかりやってる自分からすると、 それってどうなのと心配していたが、ただ話を聞く限りでは、最近は変わってきたようだなと思う。 今は、一度しかない。いくらレベル5と言ってもまだ14歳の少女なのだ。普通の女の子として過ごして欲しいと願う。 その願い通り、幼馴染の少女の周りに新しく場所が出来つつあり、そろそろそのお役はご免だろうかとふっと考える。 その時、脳裏によぎったのは寂しいという言葉、きっとそれは、自分も例外なく隣にいるのが当たり前だからかもしれない。 喜ばしい事なのに、どこか腑に落ちない感情の渦に入ったような――そこで名を呼ばれてる事に気付き、思考は中断した。 「ねぇ、ねぇってば!」 いつの間にか、どこか遠くへ行ってしまった幼馴染に向けて呼びかける。 「………お、おう?」 ようやっと戻ってきたかこのバカと、こつんとデコピンをかます。 「ちった~人の話を聞けやぁぁ!」 「いってぇ、いきなり何をする!?」 「はぁ…あのねぇ勝手に話を振っておいて、無視すんじゃないわよ!」 「……はて、どこか飛んでました?」 「思いっきりよ!とぼけるフリして話をそらそうとするなっ!」 当麻の何か言いたげなその目を無視して、無理矢理話を進める。 (そりゃ、飛んでたのはお互い様かもしれないケド…でもそれとこれとは話が別!) 「それでさ、聴く?」 「聴くって?」 だからこれよこれ、と音楽プレイヤーを当麻に見せる。 「何を聴いてるの?って言ってたじゃない」 「そうだったか…な?」 「そっ、だから…はい」 と片方だけイヤホンを当麻に渡し、もう片方は自分の耳に付ける。 並んでベンチに座っていても、少し距離がある為、イヤホンは引っ張られる。 「当麻、もう少し近寄ってくれないと届かないから…」 改善のため、もっとこっちに来いと隣の位置を手でパンパンと叩く。 (一緒に聴かなきゃ意味がないんだから…) 好きな人と何かを共有したいという思いは誰にだってあるもの。 美琴の場合、同じ曲を一緒に聴く時間を共有するというものだった。 待つ間、どうやって切り出そうかとずっと考えていた。 もともと佐天さんから勧められた曲、それをどうしても当麻にも聴いて欲しくなった。 こういうのが好きなのも、御坂美琴っていう幼馴染の女の子なのだと、当麻に知って欲しいただそれだけ。 今、その計画は着実に実行されようとしている。 「あの…みっ美琴さん?」 「………あ、えっとその」 密着する肩、触れ合う手、そこから感じる体温。 「「…………」」 勿論、再生された曲は二人の耳には全く流れてこない。 互いに奏でる、ハートビート、そんな二人の幼馴染の放課後。 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1848.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 「あアア」 あきゅら(19-407)氏 あくび(21-663)氏 アクセ(18-753)氏 アミノ酸(8-201)氏 アルエ(9-720)氏 ▲ あきゅら(19-407)氏 二人占めアプリシエイション インスタントウォーマー ▲ あくび(21-663)氏 いつもと違う朝 ▲ アクセ(18-753)氏 二人の鈍感 小ネタ 上条さんは思い立ったら行動するタイプ 秘密の代償 ▲ アミノ酸(8-201)氏 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン> 1 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン> 2 とツインテール とある幼馴染の超電磁砲<レールガン> 3 と雨の日 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン> 4 とビリビリver.1 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン> 4 とビリビリver.2 とある宣伝の超電磁砲<レールガン> 1 とある宣伝の超電磁砲<レールガン> 2 とある宣伝の超電磁砲<レールガン> 3 とある宣伝の超電磁砲<レールガン> 4 小ネタ 一度はやってみたいアレ とある宣伝の超電磁砲<レールガン> 5 とある宣伝の超電磁砲<レールガン> 6 とある宣伝の超電磁砲<レールガン> 7 とある幼馴染の超電磁砲<レールガン> 5 とイヤホン 小ネタ もしも美琴が眼鏡をかけたら 小ネタ とあるお茶のCMから ツンデレガールの母 Mothering Sunday 小ネタ 上琴にかくあれ その右手を避けて 不意打ち Xデー 1 前編 小ネタ 彼女の指先が描くのは 小ネタ ポニーテール 1 上条さん家! 小ネタ ポニーテール 2 おまけ 小ネタ レーダー/頑張れ美琴さん 小ネタ 今日は何の日? ▲ アルエ(9-720)氏 小ネタ 君の寝てる間に 君の見る幸福な世界 1 君の見る幸福な世界 2 君の見る幸福な世界 3 君の見る幸福な世界 4 ▲ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/投稿者 Back
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2767.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し 序章 ③罪と不幸 一方通行と戦った少年…上条が目を覚ますと、 そこには上条が救った少女の一人…美琴が上条のベッドに伏すように眠っていた。 その顔には一筋の涙が零れた跡があり、うわ言のようにお兄ちゃんと寝言を言っている。 「本当は気付かないでいてくれた方が良かったんだけどな」 上条は独り言のように呟いた。 すると上条の声に反応するように美琴が目を覚ました。 「お兄ちゃん?」 「うーん、最近までアンタが馬鹿だったのが お兄ちゃんに急に格上げとは…」 「お兄ちゃん、私…」 美琴は俯きながら呟くように言った。 その表所には翳りが差している。 上条は美琴が何を言わんとしているか、辛いほどよく分かった。 話によると絶対能力進化の実験は凍結に追い込まれたらしい。 それでも1万人以上の命が失われた。 それを美琴は心の底から悔やんでいるのだ。 慰めるのは簡単だ、美琴に責任は無いと言ってやればいい。 でもそれじゃあ本当に美琴を救うことにはならない。 本当に美琴を救うためには美琴自身が自分の闇と向かい合わなければならなかった。 「無責任なことは言えないけどさ、 やっぱり美琴は死んでいった妹達のためにも 今回の件から目を逸らしちゃいけないような気がする」 「…うん、分かってる。 ちゃんと私の罪は一人で背負っていくつもりだから」 美琴の言葉には少し悲壮感が漂っているものの、強い決意を感じさせた。 美琴は決して自分の過去から逃げるようなことはしないだろう。 でも美琴が抱えるものは一人で背負うにはあまりに重い。 だから上条も覚悟を決める、不幸を背負うことの辛さは誰よりも知っていた。 「一人だなんて言うな。 美琴のことを本当に心から理解して支えてくれる人間が現われるまでは、 俺が傍にずっと一緒にいてやる。 だから辛い時は自分を押さえ込むようなことはするな。 死んでいった妹達の分も、お前が泣いてやれ」 上条の言葉に美琴は言葉を詰まらせ、その瞳には涙が溢れ返っていた。 美琴は上条の胸に顔を埋めると堰を切ったように声を上げて泣いた。 そんな美琴のことを上条は黙って優しく抱きしめるのだった。 「落ち着いたか?」 「…うん」 上条は泣きやんだ美琴を抱きしめる手を緩めると… 「あの、もう少しだけでいいから抱きしめてて。 今はお兄ちゃんの温もりを感じてたいの」 「ったく、昔から美琴は変なところで甘えん坊だな」 そう言って上条は再び美琴を抱きしめ直す。 すると美琴は上条に抱きしめられた体勢のまま言った。 「でも、どうして学園都市で初めて会った時に名乗ってくれなかったの? お兄ちゃんは私のこと気付いてたんでしょ?」 「名乗るも何も、いきなり電撃を放ってきたのはそっちじゃねえか?」 「それは、お兄ちゃんが失礼なこと言ったから…」 「だからって電撃はねえだろ」 「…何となくだけど、心の何処かでお兄ちゃんだってことに気付いてたんだと思う。 それで、お兄ちゃんにだけは失礼なことを言われたくなくて」 「何で俺には失礼なことを言われたくないんだ?」 「そ、それは」// 何故か顔を赤くする美琴に上条は疑問を感じる。 そして上条にあまり深く追求されたくない美琴は話題を元に戻そうとする。 「でも その時以外にも名乗る機会はいっぱいあったでしょ?」 すると今度は上条が黙ってしまう。 その表情には先ほどまでの美琴と同じく翳りが差していた。 美琴を抱きしめてる上条の手が震えていた。 そして上条はボソっと呟くように言った。 「…美琴が俺に関わって不幸になるのが恐かったんだ」 「え?」 「俺の過去は知ってるだろ? 俺にとって美琴と過ごした日々は光だ。 だから思い出は思い出らしく輝いたままにしておきたかった。 俺と関わって美琴との思い出が不幸なもんに変わっちまうのが嫌だったんだ」 上条はそう言って美琴を抱きしめていた手を離す。 美琴は上条の言葉に、昔 上条と最後に遊んだときの表情を思い出した。 幼い時は分からなかったが、あの時 上条は既に限界だったのだ。 今の自嘲するように笑う上条の顔は、あの時の表情とよく似ていた。 (昔からお兄ちゃんはいつも私のことを助けてくれた。 そして今回も… だから今度は私がお兄ちゃんを助けてみせる!!) 美琴は手を離した上条の代わりに上条のことを抱きしめ返した。 「美琴?」 「お兄ちゃんはさっき 私のことを理解して支えてくれる人が出来るって言ってたけど、 私はそんな人は現われなくていい。 お兄ちゃんさえ傍にいてくれればいいの」 「でも、俺は不幸で…」 「お兄ちゃんが罪を背負った私を支えてくれるように、 私も不幸を背負ったお兄ちゃんを支える。 それだったら お互いの立場も関係もイーブンでしょ?」 「いや、そういう問題じゃなくてな」 「私がそう決めたの、これから私達は一心同体。 何があっても私は当麻のことを支えるから、 何かあったら昔みたいに当麻も私のことを助けてね」 「何故に急に呼び捨て?」 「言ったでしょ、立場も関係もイーブンだって」 美琴はそう言って上条に向かって微笑みかける。 その笑顔を見て上条は不幸に襲われる前の、 純粋に善意から人助けをしていた時の記憶を思い出す。 今の上条は偽善使いを称して、 困っている人を助けるために何かやったという慰めのためだけに動いていた。 だが美琴を襲っている闇を知った時、上条の中で昔あったものが再び芽吹いた。 (昔はこうやって誰かの笑顔を見るのが大好きだったんだよな。 そしてその中でも美琴の笑顔が一番… …例え俺が不幸でも大切な人の幸せを支えるくらいは許されるよな?) 上条は自分を抱きしめている美琴の背中に手を回す。 「分かったよ、俺はもう自分の不幸からも美琴からも逃げない。 それに、こんなに可愛い女の子が支えてくれるのに不幸だなんて言えないしな」 「うん、私が絶対に当麻のことを幸せにしてみせるんだから!!」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2768.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し 序章 ④再会 上条が退院した翌日、上条は美琴に連れられ第四学区のレストランへと向かっていた。 レストランに入ると上条にとって非常に懐かしい男性と女性が待っていた。 「旅掛さん、美鈴さんも…」 御坂旅掛と御坂美鈴… 二人は美琴の両親で幼かった上条にとって両親を除いた唯一の大人の味方であった。 「久しぶりだな、当麻君」 「…はい、お久しぶりです」 美琴が上条の顔を見ると何処か浮かない顔をしている。 上条を両親に会わせれば喜んで貰えると思っていただけに、 美琴はどうすればいいか分からなくなっていた。 「それにしても大きくなったわね。 10年も会ってないんだから当たり前か」 「あれから10年も経つんですね」 (そうか、お兄ちゃんはまだ あの時のことを…) 美琴は上条が喜ばせると思ってしたことが上条を逆に苦しめていることに気付く。 上条にとって御坂家との思い出は楽しいものであると同時に、 当時の自分を取り巻いていた状況を思い出させる苦いものでもあるのだ。 美琴は自分の浅はかな行動に自己嫌悪を覚える。 そんな美琴の心情を察したのか、上条は美琴の肩に手を置いて言った。 「そんな顔するな。 旅掛さんや美鈴さんに会えて嬉しいって気持ちも本物なんだから」 「…ごめんね」 そんな二人の様子を見て旅掛は言った。 「すまない、当麻君。 俺達も当麻君と久しぶりに会いたくなったんだ。 それに当麻君に大事な話もしなくちゃいけないからな」 「大事な話ですか?」 「取り合えず座ってちょうだい、当麻君の話も聞きたいし」 「…分かりました」 そして上条と美琴は四人席のテーブルに腰掛けるのだった。 「まあ、そんな感じです」 上条は主に学校での生活について旅掛と美鈴に語って聞かせた。 日々の不幸はあるものの、楽しい日々を送っている。 その言葉に旅掛と美鈴も笑顔を見せるのだった。 「刀夜さんの判断は正しかったかもしれないな。 オカルトと対極に位置するこの街なら、以前のようなことには…」 旅掛はそう言って口を噤んだ。 「すまない、不用意なことを言ってしまって…」 「気にしないでください。 さっきも言った通り、俺は楽しい日々を送ってます。 それにいつまでも過去ばかり見ているわけにはいきませんし」 「当麻君がそう思えるようになって本当に良かったわ」 「まあ、こう思えるようになったのは最近なんですけどね」 「…当麻君、君に一つお願いがある」 「何ですか?」 「これから先、ずっと美琴ちゃんのことを支えてあげてくれないか?」 「…」 「俺もまだ美琴ちゃんから詳しい話を聞いたわけじゃない。 だが美琴ちゃんが何か大きなものを抱えてしまったことは分かってる。 俺達は美琴ちゃんがいつか自分から話してくれるようになるまで、 親として美琴ちゃんを支えるつもりだ。 でも美琴ちゃんのことを本当に支えてあげられるのは、当麻君しかいないんだ」 「…逆に俺が傍にいることで、美琴に不幸が降りかかるかもしれませんよ」 「当麻君が決して不幸なんかじゃないことを私達は知ってるわ。 でも当麻君が自分を不幸だって決め付けてる限りは幸せは決して訪れない。 当麻君が本当に美琴ちゃんを不幸にすると思ってるなら、 私達の勝手だけど この話は断ってちょうだい」 「…俺は先日 美琴の笑顔と言葉に救われました。 美琴の笑顔を見て、あんな風になる前の自分を思い出すことが出来たんです。 そして美琴の言葉で、美琴のためにも自分の幸せを諦めないことを決めました」 「当麻…」 「正直に言うと まだ恐い部分はあります。 美琴は俺にとってかけがえの無い大事な存在だから。 大切に思えば思うほど、何かあった時のことを考えると恐くなるんです。 でも もし何かあっても美琴のことは必ず守ってみせます。 だから 美琴との交際を許してください」 上条の言葉に美琴は思わず涙ぐむ。 そして旅掛と美鈴の顔には満面の笑顔が溢れているのだった。 「当麻君は本当に強くなった。 そして今の君になら安心して美琴ちゃんを任せられる。 良かったな、美琴ちゃん」 「うん」// 美琴は涙を袖で拭いながら旅掛の言葉に頷く。 すると美鈴がカバンの中から、一枚の紙と何かの鍵を取り出した。 「そんな美琴ちゃんにプレゼントがあります!!」 美鈴はそう言って紙と鍵をテーブルの上に置く。 「あの、これは?」 上条は何か嫌な予感がして美鈴に恐る恐る尋ねる。 「まずは中身を見てちょうだい」 上条と美琴が紙を覗き込むと、そこには常盤台学生寮退寮受理と書かれていた。 「ちょっ、これどういうこと!?」 「ふふ、当麻君と美琴ちゃんの恋人生活のお膳立てをしようと思ってね」 「もしかして、この鍵は?」 「うん、当麻君と美琴ちゃんの愛の巣の鍵よ」 それを聞いた途端、美琴の顔は一気に赤く染め上がる。 そして上条は逆に頭を抱えて溜息を吐いた。 「どうした 当麻君、嬉しくないのか?」 「嬉しいとか、それ以前の問題でしょ? 俺達は学生で、しかも美琴はまだ中学生ですよ」 「だから、ちゃんと当麻君には選択肢を残しておいたわ。 当麻君の寮の退寮手続きは流石に取ってない。 だから、美琴ちゃんと暮らすのがまだ早いと思ったら断っていいのよ」 美鈴に言われて、上条は隣に座る美琴を見る。 自分が心から守りたいと思い、支えてあげたいと思った大切な少女。 その体は華奢で何かあったら簡単に壊れてしまいそうである。 傍にいてあげたい、何より自分が傍にいたい。 なら年上の自分が傷つけないように注意を払えばいいだけだ。 「…分かりました、お心遣い感謝します」 そして上条と美琴の同棲生活が決まるのだった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の幻想殺し